褥瘡の色調分類
①黒色期→②黄色期→③赤色期→④白色期
褥瘡の治癒は、色調から4段階に分類できます。
また、褥瘡に対しての薬剤は主に
- 黒色壊死組織に対しての壊死組織溶解剤
- 滲出液の量に合わせた基剤の選択
が中心となります。
壊死組織溶解剤
黒色期の壊死組織を柔らかくし、薬を中へ浸透させる壊死組織溶解剤は主に2つあります。
ブロメライン軟膏
ブロメラインはタンパク質分解酵素の一種であり、パイナップルなどに含まれている、お肉を柔らかくする成分です。
ゴロ:ブロークン(broken)→壊れた
スルファジアジン銀クリーム(ゲーベンクリーム)
銀(Ag)が含まれており、殺菌作用があります。
ゴロ:スルッと除去
滲出液の量に合わせた基剤の選択
| 滲出液の量 | 使用する基剤(種類) | 特徴 |
| 多い | 吸水性基剤(水溶性基剤) | 創の水分を吸収する |
| 適切 | 創面保護基剤 (油脂性基剤、乳剤性基剤 w/o型) | 外的刺激から皮膚を保護、皮膚からの水分蒸発を防ぐ |
| 少ない | 保水性基剤 (乳剤性基剤 o/w型) | 水分が多く、創に水分を供給 |
滲出液の量に合わせて、適切な基剤の選択が必要です。
- 浸出液が多い:吸水性を示す水溶性基剤を選択します。
- 滲出液が適切:水分が蒸発しないように油脂性基剤でカバーをするイメージ。
- 滲出液が少ない:補水を目的に乳剤性基剤を使用します。
吸水性基剤の外用薬
ブクラデシンナトリウム軟膏(アクトシン軟膏)
治療:滲出液吸収、肉芽形成促進、皮膚形成促進
薬剤:(水溶剤基剤)マクロゴール
ゴロ:ブクブク増える→皮膚形成促進
ブクラデシンは心不全の治療薬でもあります。細胞内のcAMPを上昇させることで血流量を上げ、皮膚形成を促進させます。
ブロメライン軟膏
治療:滲出液吸収、壊死組織溶解
薬剤:(水溶剤基剤)マクロゴール
ゴロ:ブロークン(broken)→壊死組織溶解
ブロメラインはタンパク質分解酵素であり、壊死組織に対して有効な薬剤です。
精製白糖・ポピドンヨード(ユーパスタコーワ軟膏)
治療:滲出液吸収、感染制御
薬剤:(水溶剤基剤)マクロゴール(+白糖)
ヨウ素を含んでおり、殺菌作用を示します。
白糖や砂糖などの糖も吸水作用を示しますが、創へのエネルギー供給により皮膚形成も促します。
ヨウ素軟膏(ヨードコート軟膏)
治療:滲出液吸収、感染制御
薬剤:(水溶剤基剤)マクロゴール(+吸水ポリマー)
カデキソマー・ヨウ素(カデックス軟膏)
治療:滲出液吸収、感染制御
薬剤:(水溶剤基剤)マクロゴール(+ビーズ)
創面保護基剤の外用薬
酸化亜鉛(商品名:亜鉛華軟膏)
治療:消炎、創面保護
薬剤:(油脂性基剤)単軟膏
覚え方:ア行(亜鉛、アズレン)→始めの初期段階に使用
ジメチルイソプロピルアズレン軟膏(アズノール軟膏)
治療:消炎、創傷治癒促進
薬剤:(油脂性基剤)白色ワセリン
覚え方:ア行(亜鉛、アズレン)→始めの初期段階に使用
亜鉛とアズレンは消炎作用を示します。
ステージⅠほどの褥瘡軽症時に使用します。皮膚が圧迫されたときの、赤みを抑えるイメージです。
アルプロスタジルアルファデックス軟膏(プロスタンディン軟膏)
治療:皮膚血流増加、血管新生促進、皮膚形成促進、創面治癒促進
薬剤:(油脂性基剤)プラスチベース
プロスタとあるように、PG(プロスタグランジン)製剤です。血流量を上昇させ、皮膚形成を促進させます。
吸水クリーム
治療:創面保護
薬剤:(乳剤性基剤)w/o型
補水性基剤の外用薬
トレチノイントコフェリル軟膏(オルセノン軟膏)
治療:肉芽形成促進
薬剤:(乳剤性基剤)o/w型。
覚え方:トレチノイントコフェリルから、新しい組織を増やします。
ビタミンA(トレチノイン)とビタミンE(トコフェリル)を含んでいます。
スルファジアジン銀クリーム(ゲーベンクリーム)
治療:壊死組織溶解、感染制御
薬剤:(乳剤性基剤)o/w型。
ゴロ:スルッと除去
銀(Ag)が含まれており、殺菌作用を持ちます。
線維芽細胞増殖因子(FGF)製剤
トラフェルミン スプレー(フィブラストスプレー)
治療:肉芽形成促進、血管新生
覚え方:トラフェルミンから、新しい組織を増やします。
スプレー型であり、薬価は高めです。
使用後は冷所保存する必要があります。

