近年、医療費削減のため後発医薬品が普及しています。
後発品の使用率は年々上昇傾向ですが・・・
「後発品から先発品の貼り薬に戻してほしい」とおっしゃる患者さんが、少なからずいらっしゃいます。
同じ成分のはずなのに、なぜそのような声が出るのでしょうか。
この記事では、貼付剤における先発医薬品と後発医薬品の違いについて考察します。
医療者側【調剤しにくい医薬品の剤形】意識調査
厚生労働省による、保険薬局を対象とした後発医薬品の使用に関する調査において、
<後発医薬品を積極的には調剤していない・調剤しにくい医薬品の剤形>の回答を見ると


最も多い回答は「特にない」(58.0%)
次いで、「外用薬」(34.9%)。その外用薬の中でも「貼付薬」(60.7%)が最も多いです。
「貼り薬のジェネリック医薬品は調剤しにくい」と感じている施設は、意外と多いのですね。
私の施設でも、メーカーまでご指定される患者様がいらっしゃるため、あらかじめ指定の先発医薬品を取り揃えております。
後発医薬品とは
そもそも、後発医薬品(ジェネリック医薬品)とは何なのでしょうか?
PMDAより、
「後発医療用医薬品(ジェネリック医薬品)とは、新有効成分や新しい効能・効果等を有することが臨床試験等により確認され承認された新薬(先発品とも呼ばれます)の再審査期間終了後に、その新薬と同一の有効成分を同一量含み、同一投与経路の製剤であり、効能・効果、用法・用量も原則的に同一である医薬品で、生物学的同等性試験等にてその新薬と治療学的に同等であることが検証されているもの。」
簡単に言うと、「後発品は先発品と同じ有効成分であり、同じ効果を示すもの」
ということです。
ただし、これは薬を実際に使えた場合の話であり、後発医薬品の定義では「使うまでの過程」は保証されていません。
たとえば、貼り薬では貼ってしまえば同じ効果が得られますが、「粘着力」や「貼り心地」といった使用感は考慮されていません。
この点が、貼付剤の先発品と後発品で大きく異なる部分です。
貼付剤の使用感調査
ケトプロフェンテープ剤の先発医薬品と後発医薬品における使用感調査を参照すると、
使用している貼付剤の満足度に関して、先発医薬品使用者と後発医薬品使用者の間で有意な差は認められていませんでした。
使用感は患者個々に大きくばらついており、使用感に対して製剤間に有意差が認められず、患者のニーズが多様であることが分かります。
一般的に、貼付力を強めればはがれにくくなる反面、フィルムがはがしにくくなり、はがす際に痛みを伴うことがあります。
一方、貼付力を弱めればはがれやすくなるため、どちらにも一長一短があるといえます。
このように効果や粘着性に大きな差はないにもかかわらず、
一部の患者さんが先発医薬品を希望するのは、使用感や安心感など、数値化しにくい要素が関係しているのかもしれません。
まとめ
貼り薬は、錠剤に比べて先発品と後発品の違いが現れやすい剤形です。
例えば、先発品のモーラステープ(久光製薬)は、湿布の角が丸く設計されており、はがれにくく工夫されています。
余談ですが、久光製薬の名刺も角が丸いそうです。ちょっとしたデザインにも使う人への配慮が感じられますね。
それぞれの製品はメーカーによって使用感が異なり、一概に先発・後発のどちらが優れているとは言えません。
数値では示せない「貼り心地」や「安心感」。
その感覚こそが、薬を“自分の薬”だと感じるために大切なのかもしれません。
薬を選ぶとき、効果だけでなく「使っていて気持ちが良いかどうか」も、医療で大切にしたい視点だと思います。
