牛乳アレルギーに乳糖は使用できるのか!?

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牛乳アレルギーの原因はカゼインなどの乳タンパク質であり、乳糖そのものはアレルゲンではありません。

しかし、牛乳から乳糖を製造する過程において、微量の乳タンパク質が混入してしまう可能性があるため、牛乳アレルギーに対しての乳糖の使用は注意が必要です。

内服での乳糖使用について

乳糖は食品だけでなく、多くの医薬品にも添加物として使用されています。

即時型牛乳アレルギー児を対象とした食品用乳糖の経口負荷試験(乳糖3 g)では、重篤な症状は認められず、嘔吐や局所の蕁麻疹が一部の症例(42例中2例)で報告されたのみでした。

乳糖に微量の乳タンパク質が混入している可能性はあるものの、経口負荷試験での重篤な症状発現は確認されていません。

経口負荷試験での乳糖摂取量3 gから、以下のことが考えられます。

錠剤での乳糖使用

錠剤に含まれている乳糖の量はおよそ数十 mg〜数百 mgほどであり、非常に微量です。

牛乳アレルギーに対する錠剤(乳糖含有製剤)の使用は可能であると思われます。

散剤での賦形

散剤の賦形として乳糖を使用する場合、

1包0.5 gになるように賦形すると考えると、1包での乳糖は最大0.5 g未満となります。

1日4回(朝・昼・夕・寝る前)と考えても、乳糖量は最大で2.0 g未満にとどまることになります。

医療機関によって1包あたりの賦形量に差はありますが、負荷試験量(3 g)を超えない範囲の乳糖使用であれば、散剤の賦形としての乳糖の使用も可能であると考えられます。

吸入薬での乳糖使用について

抗インフルエンザ薬のイナビルおよびリレンザに関して、乳製品アレルギーの既往を有する患者に投与した際、アナフィラキシーが発現した国内症例が報告されています。

両薬剤には添加物として乳糖水和物が使用されており、添付文書上には「夾雑物として乳蛋白を含む」との記載がありました。

「牛乳アレルギー患者への慎重投与」等の直接的な注意喚起の記載はありません。しかし、安全面を考慮すると牛乳アレルギーへの使用は避けることが望ましいと思われます。

また、「夾雑物として乳蛋白を含む乳糖水和物」を含有する薬剤は、これら2剤に加えて、ドライパウダー型(DPI)の吸入薬が多く該当します。

これらの薬剤も、乳製品アレルギーや牛乳アレルギーに関する特記はされていないため、一概に使用禁忌とは言えませんが、エアゾール製剤(pMDI、SMI)の選択が好ましいと思われます。

「夾雑物として乳蛋白を含む乳糖水和物」が使用されている薬剤

  • ディスカス(アドエア、セレベント、フルタイド)
  • エリプタ(レルベア、テリルジー、アノーロ、エンクラッセ、アニュイティ)
  • 吸入用カプセル(スピリーバ、ウルティブロ)
  • シムビコートタービュヘイラー(ブデホル)、メプチンスイングヘラー、オーキシスタービュヘイラー、アズマネックスツイストヘラー

ウルティブロは乳糖水和物が使用されていますが、「夾雑物として乳蛋白を含む」の記載はありません。しかし、他の吸入薬と同様、牛乳アレルギーへのウルティブロの使用も避けることが望ましいと思われます。

一方、パルミコートタービュヘイラーは添加物に乳糖が含まれていないため、使用は可能です。

注射薬での乳糖使用について

ソル・メドロール静注用40 mgには添加物として乳糖水和物が含まれており、牛乳アレルギー患者に投与した際にアナフィラキシーを呈した事例が報告されています。

ソル・メドロール静注用のうち、乳糖水和物を含む製剤は40 mgのみであり、125 mg、500 mg、1,000 mgの製剤には含まれていません。

また、後発医薬品である注射用ソル・メルコートにおいても40 mg製剤のみ乳糖水和物が使用されています。

「食物アレルギーの診療の手引き2023」には40 mg製剤のみ使用注意の記載があり、牛乳アレルギーに対してのソル・メドロール静注用40mgの使用は避けるべきであると思われます。

まとめ

牛乳アレルギーに対しての乳糖の使用について、以下のようにまとめました。

  • 内服薬:錠剤・散剤で乳糖の使用は可能である。(1日あたりの3 g未満の場合)
  • 吸入薬:乳糖を含む吸入薬の使用は避けることが望ましい。
  • 注射薬:乳糖を含む注射薬の使用は避けることが望ましい。

ただし、乳糖がどれほど微量であっても、製造過程において乳タンパク質が完全に除去されているとは断言できません。

そのため、感受性の高い重症の牛乳アレルギー患者の場合は、わずかな乳糖でもアレルギー症状を誘発する可能性があります。

患者のアレルギー歴や過去の反応を踏まえたうえで慎重に判断し、不必要な乳糖の使用を避ける必要があります

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